研究タイトル:
「科学と芸術」
活動内容:
私は自分の中で湧き起こった興味から、科学と芸術の関わりについて考えてきましたが、そもそもの文脈を考えれば考えるほどどうしても西洋の科学の文脈を自分の目で見てみたいという思いが強くなり、今回の渡航を計画しました。
具体的には、ヨーロッパにある科学館や研究施設に行って実際に西洋の科学がどのように息づいているのか・どのように語られているのか・どのように表現されているのかなどのリサーチ、ドイツのzkmなど芸術と科学が融合する場でそれらがどのように結び付けられているのかのリサーチ、CERN(欧州原子核研究機構)にあるビジターツアーへの参加、地熱発電など自然のエネルギーを経済的にも結びつけていることで以前から興味があったアイスランドで地熱発電所や間欠泉の見学や現地のアーティストインレジデンスに参加するなど、ヨーロッパの主要な都市とアイスランドを中心に科学と芸術の関わりに纏わると思う場所を見て回りました。
気付いたこと、見つかった課題:
今回の渡航は、まず渡航前の準備や計画の時点で既に大変でした。なぜ大変なのか考えてみたときに、抽象的にしか考えていなかったものや選びきれていないものを、ある程度までは決めなければならなかったからでした。普段日本で過ごしている分には抽象的な言葉で問題ないことも英語になったときに果たして通用するのか、結局何が一番見たいのか優先順位を付けて計画を立てるなど、考えてみれば当たり前のことの中に必要なことが隠れていたように感じたことが一番地味だけれど大きな発見だったと思います。
それから、多くの場所を回るための滞在費用の準備や計画、大きな心配なくある程度安全に活動出来るようにするにはどうすれば良いのかなどを考えることが必要になったことで、諸外国の治安や経済状況についてもある程度目を通すことになり、自分の興味の範囲外のことも総合的に勉強して判断したことも興味深かったです。
渡航を経ての今後の制作活動:
随分前に応募していたレジデンス施設から渡航半ばになって滞在を許可して頂けたために急遽海外からの海外送金が必要になったり、CERN のツアーに参加する為に列車ではなく飛行機を使って時間を短縮する必要が出てきたり、何かと計画が常に変わり続ける渡航になりました。二ヶ月で色々な国を回ったので変更は付き物で、大変さはありましたがずっと動的でいられるリアリティのようなものを感じました。
私の今回の渡航では色んな場所を動き回ったので移動している時間が多く、地球の上を動いているということが常に頭から離れませんでした。結果的に西洋の科学の文脈を調査するだけでなく、アイスランドの自然を観察して感じたことや地球の上を動いていた感覚が気になってしまったので、今後はその感覚をどう形にしていくのか、どう結び付けていくのかを考えていこうと思います。このような貴重な機会を与えてくださり、本当にありがとうございました。
本奨学プログラムを利用してみて:
自由度が高い分プランを組んだり準備をするのが大変でしたが、それを含めてとても良い経験になりました。なかなか他では類を見ないプログラムだと思います。
7月30日 成田空港より渡航
7月31日 アブダビにて乗り継ぎ
7月31日 ロンドン・ヒースロー空港着7月31日~8月7日 ロンドン滞在8月7日 ハーリッジ港へ移動
8月8日 船でフックファンホランド港へ移動8月9日 アムステルダムへ移動
8月9日~8月11日 アムステルダム滞在
8月11日 ブリュッセルへ移動
8月11日~8月13日 ブリュッセル、ブリュージュ滞在
8月13日 ユトレヒトへ移動
8月13日~8月15日 ユトレヒト滞在
8月15日 ベルリンへ移動
8月15日~8月21日 ベルリン滞在
8月21日 ワイマールへ移動
8月21日~8月27日 ワイマール、イエーナ滞在
8月27日 カールスルーエへ移動
8月27日~8月28日 カールスルーエ滞在
8月28日 シュトゥットガルトへ移動
8月28日~8月29日シュトゥットゥガルト滞在
8月29日 飛行機でヴェネツィアへ移動
8月29日~8月31日 ヴェネツィア滞在
8月31日 ミラノへ移動
8月31日~9月1日 ミラノ滞在
9月1日 ジュネーヴへ移動
9月1日~9月3日 ジュネーヴ滞在
9月3日 パリへ移動
9月3日~9月7日 パリ滞在
9月7日 飛行機でケプラヴィーク国際空港へ移動
9月7日 ロイガルバトンへ移動
9月7日~9月19日 グルキスタン(レジデンス)滞在
9月19日 レイキャビクへ移動
9月19日~9月21日 レイキャビク滞在
9月21日 飛行機でロンドンへ移動
9月21日~9月28日 ロンドン滞在
9月28日 ロンドン・ヒースロー空港発
9月28日 アブダビにて乗り継ぎ
9月29日 成田空港着