2018年度長期派遣奨学生〜菅野 步美

研究タイトル:
「台湾式コミュニケーション」

氏名:菅野 步美
奨学年度:2018年度奨学生
奨学区分:長期派遣枠
滞在期間:2018.9.6 – 2019.3.30
滞在先:台湾、香港、マカオ

活動内容:

台北藝術大学に2セメスターの交換留学。大学の寮に滞在し、毎週3~5つのクラスに参加。受講したのは主に、全て英語で行われる学外で展示場所を見つけ、展示会を開く授業、同じく英語での野外彫刻の授業。
そのほか中国語で行われる中国美術史と日本美術史間の交流を調べる授業などである。これらの授業に参加しながら留学生向けの中国語クラスと現地学生向けの英語クラスに参加し、中国語は始めて10ヶ月後に中級クラスの検定に合格することができた。休日は学生たちとギャラリーや美術館をめぐり、友好を深め、様々な台湾料理も体験した。
学外での展覧会のために1学期目には龍山寺付近の萬華地区、2学期目には新北投地区を中心的にリサーチした。どちらの地区も共に日本統治時代に開発された土地である。

気付いたこと、見つかった課題:

台北藝術大学の寮は大学敷地内にあり、多くの学生が寮もしくは学校付近に住んでいることから毎日学生たちと交流することができた。制作においてもみんな積極的に助け合い、効率的に制作し、意見も積極的に交わし合い、私は日本ではあまり他の学生と交流せず制作していくタイプだったので自分の制作態度を改めなくてはと思わされた。1学期目には多くの交換留学生が台北藝術大学に交換留学し、台湾にいながら様々な国の文化や習慣を知ることができた。一部の学生は交換留学生たちと積極的に交流し、サポートしながら彼ら自身も新たな知識や語学を身につけていた。台湾で学ばされたことは人との交流がどれだけ大切かということであったと思う。

渡航を経ての今後の制作活動:

日本で、特に東京で生活するコストと台湾で生活するコストでは圧倒的に台湾の方が安い。清潔面、クオリティーの面では劣っていることもあるが、交通面、材料調達などでは台湾のほうが便利な事もある。そのことから留学期間中、国内に限らず自分に合った土地で制作したいと考えるようになった。
台湾は日本が統治していた時代が長いこともあり、言語や文化の中に様々な日本統治時代のなごりを見ることができる、台湾の土地のリサーチをしながらいつも日本のリサーチへとつながる。幸い台湾と日本は距離が近いので続けていけそうな気がする。さらに今回始めて長期間の外国人体験をしたことにより言語についても強く意識させられた。それは自身と現地での摩擦だけでなく、台湾国内での中国語、閩南語由来の台湾語や客家語、その他様々な少数民族の言語間の関係、人々の意識についても含めて興味深いと思わされた。

本奨学プログラムを利用してみて:

当初の計画では台湾付近の様々なアジア諸国を巡る予定でしたが、生活費用が予想よりもかかったために、現地で台湾国内に重点をおいた計画に切り替えました。本奨学金制度は報告などのタスクも少なく、現地では充実した留学生活を送る事ができました。非常に感謝しております、ありがとうございました。

 

渡航スケジュール:
9/6 成田空港より渡航。桃園空港(台北)着
9/6–6/25 國立臺北藝術大学滞在 (その間、宜蘭・台中・台東・台南・新竹を訪問)
3/26–3/30 香港&マカオ旅行