2018年度短期派遣奨学生〜西尾 佳那

研究タイトル:
「Journey of Developing Self-Cognification in Europa」

氏名:西尾 佳那
奨学年度:2018年度奨学生
奨学区分:短期派遣枠
滞在期間:2018.8.24 – 2019.2.1
滞在先:スイス、ドイツ、オーストリア、オランダ、ギリシャ

活動内容:

半年間、スイスチューリッヒ芸術大学(ZHdK)に籍を置き、ファインアート科の授業に参加しました。
他の留学生とのコラボレーションで”How to make self-comfort”という異なる環境や文化に適応しようとするときに感じるストレスや葛藤をすり抜けるための儀式のような”無意味な行為”を行うエクササイズプロジェクトを行いました。また、新しい土地/文化圏においての自身や文化のアイデンティティを見つめるきっかけとして、日常的の瞬間や気づきを映像に記録し、2017年より行っている自主プロジェクト”Journey of Developing Self-Cognification(旅の中の自己開発)”の展開を試みました。

気付いたこと、見つかった課題:

半年間の滞在では、実際に順応できないことばかりでしたが、その戸惑いも含めてどう改善していくべきか、また、プロジェクトを通し、異文化での暮らしでのいい面と受け入れられない部分を可視化させていくことで、自身のアイディンティティを考えるきっかけになりました。
学校では非常に学生と教員との関係がフラットであり、マスターコースでは特に学ぶという姿勢よりも今考えていることをどう実現させるか、実践的なスキルを身につけることを重視したシステムで、また、情報や知識の共有の場といった印象が強くありました。
スイスのナショナリティの特徴として他言語であることや地域によって少しずつ文化が違うことが挙げられます。文化の影響からか、多様性を受け入れる寛容さや違いを尊重する態度を教育的側面にも感じることができました。

渡航を経ての今後の制作活動:

ヨーロッパ圏での長期の滞在は今回がはじめてでした。現在は事前に多くの情報をネットや人から得ることが容易であり、留学や海外に行くことに対して敷居がそれほど高くはないと思います。しかし、実際に異文化で生活をし、慣れない教育システムの中で、制作やレクチャー等に参加することは想像しているよりも困難でした。正規で入学してきた留学生達も同じ悩みを抱えながら、新たなコミュニティの開拓やプラットフォーム作りの手段として、学校に行く選択肢があること、直接的な交流と生の情報共有が、豊かな人を育て国際的な要素を育むのだと思います。
”Journey of Developing Self-Cognification(旅の中の自己開発)”を引き続け複雑化、可視化されていく文化や人、物の”アイディンティ”についての考えを深めていきたいと思います。

本奨学プログラムを利用してみて:

石橋財団奨学プログラムに選ばれ、支援をいただいたことで、研究/留学計画を滞在中により意識して過ごすことができました。これからの海外での活動する上でのモチベーションに繋がりました。この度のご支援に感謝いたします。

 

渡航スケジュール:
8/2 成田空港より渡航、チューリッヒ空(スイス)着。ミグロス美術館のオープニングに参加(制作協力)
8/25-9/1 ベルリン滞在 ビエンナーレや美術館鑑賞など。
9/1- チューリッヒ(スイス)滞在
9/9-1/14 チューリッヒ芸術大学にて交換留学
途中、近隣近隣諸国や都市に滞在。ベルン、セントガレン(スイス)、ドイツ、オーストリア、オランダ
1/17-1/31 アテネ(ギリシャ)滞在。遺跡、美術館、やレジデンス施設を訪問。アテネ芸術大学に交換留学している学生と合流しコラボレーション制作を行う。
2/1 成田空港着
タイトルとURLをコピーしました