2015年度短期派遣奨学生〜東山 詩織

交換アーティスト、シェアハウスメイトと一緒に

活動内容：

”London/Tokyo Y-AIR Exchange Program 2015”というレジデンスプログラムに参加しました。ロンドンのACMEスタジオに6週間滞在し、同世代のアーティストとの交流や、制作の新たなモチーフの研究、現地のスタジオ形態の調査を行いました。
このプロジェクトは遊工房アートスペースと油画第7 研究室、セントラル・セントマーチン（以下CSM）のAssociate Studio Program（ASP）の共同事業で、日本人学生二名がCSM所有のACMEスタジへ、CSM卒業生アーティスト二名が日本の遊工房アートスペースへ、互いの国に交換という形で6週間滞在し、終了後お互いの経験を共有するというものです。
私は交換相手のアーティストのシェアハウスに滞在し、電車でスタジオまで通いました。滞在中はCSMのショートコース受講、学校図書館や蚤の市でのリサーチ、現地アーティストのスタジオ訪問、ロンドンの美術館やギャラリー巡りをしました。またスタジオのメンバーに作品協力を頼み、録音作品を作りました。

気付いたこと、見つかった課題：

ロンドンの蚤の市には、必ず使用済み（既に一度誰かに宛てて送られた）のハガキが山のように安く売られていました。他にも家族写真やプライベートな日記などもあり、イギリス人のシェアメイトから、人が亡くなった際に、身寄りがなかったり、処分を業者に委託されると、故人のプライベートなものも含めて家ごと売りに出される事があると聞き驚きました。
滞在中は語学面での不自由さから、現地の作家やシェアメイトと話のきっかけにと、それらの手紙や日記を買い込み、書いてある内容を説明してもらった音声を録音しました。その事がきっかけで、できないなりに模索をする事で生まれる作品もある事を体感じました。

渡航を経ての今後の制作活動：

今回、アーティストの制作環境を考えて活動されている遊工房の方々に支えられて渡航した事、滞在先が非営利団体ACMEスタジオであった事で、自分の今後の制作していく場所について考える機会になりました。
滞在先のシェアスタジオは、CSMの卒業生アーティスト8名が各々仕事をしながら制作をしに集まるオープンな場でした。そこで同世代のアーティストが、いかに制作と生活を両立しているかを知る事ができ、自分の場合は今後海外へ渡航をする際に現地のコミュニティに飛び込んだ方がより自分が何者なのかが明確になる事、生活や行動がしやすく学びが多い事がわかりました。そしてそのコミュニティへの飛び込みに耐えうる軸や、言語を鍛えて制作をしていきたいです。

本奨学プログラムを利用してみて：

在学中は交換留学以外での奨学金申請は難しいが、このプログラムは自由度が高く、自身で研究内容やスケジュールを組む事ができ、それを支援していただけるので、本当にありがたいと思いました。