2019年度短期派遣奨学生〜木村文香

研究タイトル:
「災害と文化と私の身体」

氏名:木村文香
奨学年度:2019年度奨学生
奨学区分:短期派遣枠
滞在期間:2019.7.31 – 8.21
滞在先:アイスランド(レイキャビク他)

活動内容:

私は、自然界に働く法則を自分の身体を通して、パフォーマンスなど直接的なアプローチにより、その神秘性を表現する作品を制作しております。この度は、自分のボディランゲージの拡張が主な目的で、アイスランドに渡航しました。
私の旅の目的は、自分が住む地球という星の活発な働きを身をもって体感することと、更にそういう地盤を意識せざるを得ない環境で生まれる文化をリサーチすることでした。この二本立てで活動計画をたてています。
主に地質学的に活動が著しい火山地帯や、絶妙なバランスによって作られた地形、さらには何百万年間佇んでいる氷河などに足を運びました。それと同時に人々の暮らし、具体的には電力や水の供給、街の作られ方など、日々アイスランドで生活しながらリサーチしております。また、博物館や美術館にも訪れ、ヴァイキングの入植に関する歴史などにも興味を持ち、調べておりました。

気付いたこと、見つかった課題:

アイスランドは国土のほとんどが手付かずの大自然で、人々が住んでいるのは沿岸部のみです。地質学的にも大変貴重な場所が多く、住んでる人々は環境に対する意識が非常に高いです。「氷と炎の国」と言われる様に、アイスランドには火山や氷河が多く、人々の暮らしも、その恩恵に預かっています。例えば電力はほぼ100%自然エネルギーによって賄われ、家庭の水道水からはなんとミネラルウォーターが出ます。お湯は硫黄が混ざっているため、天然の温泉が家で楽しめます。
一つ一つ、訪れた場所には何百万年単位の歴史があり、その途方も無い長さと広大さは、人間の存在をいとも簡単に希薄にしてしまいます。それでも、私は「今、この瞬間この場所に存在しているのだ」という実感を得たいと思い、そのために、暴風の中の登山など、あえて危険に飛び込むこともありました。
今回の旅で、絶妙なバランスで成り立っている地球という星の素晴らしさを体感したとともに、その絶妙なリズムや調和が私自身にも法則として働いているのだと実感しました。こういった類の気づきは、神秘思想や宗教学とも非常に相性がいいので今現在リサーチを進めている段階です。

渡航を経ての今後の制作活動:

帰ってきてからの生活においても、以前より、世界に対する信頼がより深まりました。圧倒的に調和された世界の一部であるという意識は、私をさらなる宇宙の法則への研究、実践に駆り立ててくれます。私にとって作品を作るということは、自然界の法則を実践する過程で作られる残り滓みたいなものだと思っております。今後の活動は、実践を通して得た気づきや深めた自分なりの人生哲学を、何かしらの形で物質化させたいと思っております。

本奨学プログラムを利用してみて:

素晴らしい機会でした。誠に感謝申し上げます。

 

渡航スケジュール:
7/31 アイスランド、レイキャビーク到着。市内の民泊に宿泊。
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8/1〜8/6レイキャビーク市内観光。
(アイスランド国立博物館、Reykjavik Art Museum、The National Gallery of Iceland、レイキャビク海洋博物館、レイキャビク872±2、ペニス博物館、パンクミュージアムetc.)
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8/7〜8/20 国立公園など、自然保護区域へ
(クヴィータ川、ゲイシール地熱地帯間欠泉、グトルフォスの滝、シンクヴェトリル国立公園、ホイカダルル、ストロックスの間欠泉、ヘットゥリヘイジ地熱発電所、ヨークルスアゥルロゥン氷河湖、セリャラントスフォスの滝、ヴィークの街、ダイヤモンドビーチ、エイヤフィヤトラヨークトル氷河、スコゥガフォスの滝、レイニスフャラのブラックサンドビーチ、スリーフヌカギグル火山内部、Kleifavant、クリースヴィーク、Gunnuhver、ブルーラグーン、ケーリズの火口湖、オクスアルアゥルフォスの滝)
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8/21帰国
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