2018年度短期派遣奨学生〜龍村 景一

研究タイトル:
「北米ジュブナイル文化のデフォルメと教育」

氏名:龍村 景一
奨学年度:2018年度奨学生
奨学区分:短期派遣枠
滞在期間:2018.8.1 – 10.1
滞在先:アメリカ合衆国

活動内容:

今回の滞在にあたって主な目的はカリフォルニア州サンタクラリタにある私立大学California Institute of Artsへの聴講、参加です。秋学期始業日より以前の期間中は主にロサンゼルス中心部とニューヨークに滞在し、同大学の卒業生の方と交流したり、輸入されていないグラフィックノベルを買ったりしていました。
ニューヨークに一時的に滞在した際には、現地の美術館やギャラリーのほか庭園などに通いました。California Institute of Artsでは篠田太郎教授から紹介していただき事前に連絡をとっていたShirley Tse教授からいくつかの授業を紹介してもらい、正式に参加させてもらっていました。そのほかにも現地に到着してから何人かの担当教授と直接やりとりをして聴講生として参加しました。

気付いたこと、見つかった課題:

私は北米のジュブナイル文化について研究する上でディズニーアニメーションにおける教育モデルを割り出す目的でカルアーツに留学しましたが、実際に現地に赴いてみると、それらを駆動するより巨大なリズムとしてのハリウッドを対象化しなければならないことに気付かされました。カルアーツの映像関連の講義はそのことについて非常に自覚的で、ハリウッドを基軸としたオーセンティックな学問領域から在野のオルタナティブな作家研究まで幅広く網羅しており、学生は両義的な問いの設定を求められていました。同時にそのような豊かなカリキュラムが莫大な予算を前提としており、また特に留学生においては卒業後の就労ビザ取得が極めて困難であるという現実的な問題も知ることができたので、逆に日本でやっていくにはどうするべきかということを考えるようになりました。

渡航を経ての今後の制作活動:

留学期間中、多くの人の助けを受けて自身が編集長を務める自費出版本を日本国内で作って売るという事をしていました。滞在先ではここには書ききれないほどの学びがありましたが、本のことを省みてみると海外渡航をしたこと自体が直接的に制作活動の本質を変化させるということは無いと思います。むしろ、どこにいても変わらず求めてしまうイメージを自覚できたことが貴重です。

 

渡航スケジュール:
8/1 ロサンゼルス着
8/1–14 ダウンタウン~コリアタウン周辺に滞在
8/1–21 ラリーエドモンドブックストア、ローズボウルマーケット、DTLAトイディストリクト、コミコン等 cal arts卒業生を訪問
8/21~9/5 秋学期始業までニューヨークへ移動 ブロンクスボタニカルガーデンにて天啓を受ける
9/5–10/1 カリフォルニア州サンタクラリタに滞在。カリフォルニア美術大学(California Institute of Arts)に聴講生として参加。
10/1 帰国